BenQのプログラミング用モニター・RDシリーズを実機レビュー!【RD240Q/RD280U/RD280UA】

BenQのプログラミング用モニター・RDシリーズを実機レビュー!【RD240Q/RD280U/RD280UA】

2024年7月PCディスプレイの人気ブランドBenQよりプログラマの作業効率アップに特化したプログラミングモニターが発売された。

今回、日本でリリースされたのは24インチサイズの「RD240Q」、28インチの「RD280U」「RD280UA」の3機種。

今回はBenQジャパン様よりRD280UAを提供してもらい、1週間ほど実際に業務で使用したうえでレビューを書かせてもらった。

待ちに待ったプログラミング用モニターを使用できるとあって著者も興奮気味であるが、できるだけ本製品の購入を検討しているユーザの立場になって「プログラミング用モニターは他のモニターと何が違うのか?」「値段に見合ったクオリティなのか?」という点に焦点をおいて記事を書かせてもらった。

RDシリーズの紹介

レビューに入る前にBenQというブランドとRDシリーズの特徴を紹介しておきたい。

BenQとRDシリーズ

BenQは台湾に拠点を置くPCディスプレイ・周辺機器を開発している会社でBenQブランドは2001年よりスタートしている。

コストパフォーマンスが高くデザイン性に優れたモニターの生産でオフィス用・プライベート用ともに高い人気を集めているブランド。いまでは世界有数の生産台数を誇るディスプレイブランドに成長している。

また、BenQは技術開発にも力を入れており、優れたアイケア機能の数々は今回のプログラミングシリーズ(RDシリーズ)にも活かされている

RDシリーズはプログラミングに関するユーザ調査を基にして開発されており、プログラマが求めるエッセンスを凝縮したようなシリーズとなっている。

より詳しくRDシリーズについて知りたい人は公式ページにも目を通してほしい。

BenQ プログラミングモニターシリーズ: 公式ページリンク

各モデル(RD240Q/RD280U/RD280UA)のスペックと主な違い

今回、リリースされた3モデルの特徴を確認したい。

以下の表は各モデルのスペックを表している。モデルにより搭載されている機能が異なるので注意してほしい。

型式RD240QRD280U RD280UA
画面サイズ24.1インチワイド28.2インチワイド28.2インチワイド
アスペクト比16:103:23:2
画面仕上げノングレア ナノマットコートナノマットコートナノマットコート
解像度WQXGA(2560 x 1600)4K+(3840 x 2560)4K+(3840 x 2560)
外形寸法(スタンド・アーム除く)幅: 53,3cm 高さ: 35,5cm 奥行: 7,1cm幅: 61cm 高さ: 42,7cm 奥行: 8,7cm幅: 61cm 高さ: 42,7cm 奥行: 8,7cm
ティルト角度上下:-5°/20°上下:-5°/20°上下:-5°/30°
スウィーベル左右:15°/15°左右:15°/15°左右:275°/275°
高さ調整110 mm110 mm130 mm
ピボット
KVM
MoonHalo
RD240Q / RD280U / RD280UAの比較表

なお、32インチのRD320U/RD320UAというモデルが一部の国では販売されており、日本でも来年リリースされる予定との事なので、より大画面のモニターが欲しいという人はこちらのリリースを待ったほうがいいかもしれない。

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RD280UAを実機レビュー

では、製品のレビューしていこう!

今回、試用するのは28インチモニターアーム付きの「RD280UA」だ。

開封してみる

早速、開封していくがまず外箱のデザインがカッコいい。

箱には「Ultimate Coding Productivity」とあり期待を高めてくれる。

箱の中身は整然と仕切られている。これならば郵送中に壊れることも無いだろう。

付属品として電源ケーブル・タイプC USBケーブル・USB 3.2 Gen1ケーブル・HDMI 2.0ケーブル・クイックスタートガイド・保証書が付いてくる。

付属のモニターアームが豪華!

まず真っ先に気に入ったのはRD280UAのみに付属する専用モニターアーム。

このモニターアームはディスプレイにマッチするのはもちろん、かなり高級感のある作りとなっている。また、細かい部分までよく考えて設計されており、スムーズにデスクに取り付けることができた。

ディスプレイの位置調整は非常にフレキシブルでモニターを瞬時にちょうどいい位置に持ってくることができる。

モニターアームの可動範囲も広く、画面をかなり手前に持ってくることも奥のほうに配置することもできる。

画面を縦にするのも簡単で、上げる・回す・下げるの3ステップで数秒で完了できる。

モニター付きのRD280UAはスタンドモデルよりも価格が5000円ほど高くなるが、モニターアームの品質はかなり高いうえにピボット機能も利用できるので、当サイトではこちらのモデルをお勧めする

セットアップしてみた

早速ディスプレイをセットアップしてみた。写真に写っているノートPCはDellの15インチのものだ。

今回はPCとモニターの間にドックステーションをかましているが、モニターからPCに電源供給が可能なUSB-タイプCで直接接続することも可能だ。

アスペクト比3:2の画面が通常のモニターと比べて縦に長いのがよくわかると思う。

モニターを縦にした場合は下の写真のようになる。

縦に配置してもいい感じにバランスが取れていると思う。

28インチサイズの画面分割

今回、試用したRD280UAは28インチのアスペクト比3:2のモデル。

この28インチの縦長というのが絶妙なサイズで、ひとつのウィンドウをディスプレイ全体に表示して贅沢に使うのもいいが、パーティションを横に分割して縦長のウィンドウを2つ表示することもできるし、さらに横にも分割して4つのウィンドウで使用することもできる

普通のディスプレイでは画面を4つに分割すると縦が狭すぎて使い物にならないが、RD280UAの縦長のアスペクト比であれば結構使える。

参考として著者のお気に入りの画面配置を紹介する。

  • ノートPCにFigmaなどのモックアップアプリを表示
  • ディスプレイの左側にIDEを表示(VSCode、IntelliJ)
  • 右側にアプリのプレビューを表示

パーティションはWindow 11の画面分割機能を使った。各ウィンドウの比率は簡単に調整することができる。

著者は自宅ではDellの34型ウルトラワイドモニターを、オフィスでは4Kモニターをデュアルで使用しており、最初は「もう少し横の長さがほしい」と感じることがあったが、慣れると「これはこれでイケる」と感じるようになった。

なお、著者は推奨である150%スケールでディスプレイを使用していたが、100%でも文字は綺麗に表示できる

バックライト(MoonHalo)がカッコいい!

今回、RD280UAを使用してみて個人的にハイライトだったのがバックライト「MoonHalo」

バックライトは部屋の暗さとディスプレイの明るさのギャップを埋める効果があり、ディスプレイの明かりを自然に感じる効果がある。また、バックライトは付けてるだけで部屋の雰囲気がちょっとお洒落になるのもうれしい。

実際に使用してみるとその効果は予想以上で、夜間にディスプレイを使用するのが随分と楽しくなってしまった。

ライトの色は温かみのある黄色から青色まで7段階で、明るさは10段階で調節することができる。また、バックライトはディスプレイがOFFの時も点灯させることもできる。

ファンクションバーが便利!

RDシリーズのもうひとつの特長がディスプレイの下部に付いているファンクションバー。

ファンクションバーにはコーディングモードをワンタッチで切り替えるコーディングホットキー・LEDインジケータ・ファンクションキーが付いている。

コーディングモードをIDEのカラーテーマに合わせれば、素早くディスプレイの設定をIDEのテーマに最適化することができる。この設定は自分の好みにカスタマイズすることも可能だ。

著者はIDEはダークカラーで使用するのでコーディングモードは「ダーク」に合わせている。写真では伝わりにくいと思うが、ダークテーマに設定すると文字の輪郭がくっきりするのがわかる。

RD280UAのお薦めポイント

ここでRDシリーズのお薦めポイントをまとめてみたい。

作業領域の拡がりによる生産性アップ

RDシリーズの最大の特徴でありセールスポイントなのが広い作業領域。1週間使ってみてディスプレイの表示領域が大きくなることによる恩地は思いのほか大きなというのを実感した。

一度に表示できるコードの行数が多くなるというのも大きなメリットだが、ウィンドウを縦にならべた際に、ウィンドウのサイズを細々と調整する必要が無くなったのは確実に作業効率の向上に繋がった。

レビューの章にも書いたが28インチサイズであれば画面分割の可能性も広がる。画面を縦横に4分割して4つのウィンドウを表示するといった使い方はこのサイズならではだと思う。

作業領域が広がったことによるメリットはもちろんプログラミングに限った話ではなく、ドキュメント制作・動画編集・デザインなどでもこの広い作業領域はおおいに役立つと思う

目に優しい機能が充実している

BenQは元々アイケア機能の強さに定評のあるブランドだが、今回のRDシリーズはその集大成ともいえるような充実ぶりだ。

レビューで紹介したバックライトのMoonHaloを始め、スクリーンの輝度を最適化する夜間プロテクションやブルーライトを軽減する設定などが備わっている。

また、ブライトネスインテリジェンス(B.I. Gen2)によりセンサーで環境光を検知して自動でスクリーンの設定を調整してくれるうえに、設定をスケジュールとして登録したり、アプリケーション毎に設定を変えることもできる。

RDシリーズは現在市場で販売されているモニターの中では、もっとも先進的なアイケア機能を備えたモニターシリーズと言ってもいいだろう

デザインが素晴らしい

RDシリーズはデザインが素晴らしい。

ダークグレーを基調としたフューチャリスティックなボディデザインは、デスク上のアクセントとなりつつもPCや他の周辺機器とうまく調和してくれる

ディスプレイを壁の前に設置している場合は残念ながら見えないが、バックライトのMoonHaloはライトを付けると本当にカッコいい。また、RD280UAに付属するモニターアームもモニターと合わせたデザインとなっていて良い。

多機能な専用ソフトDisplay Pilot 2

ディスプレイを操作するための専用ソフト「Display Pilot 2」も非常によくできている

ディスプレイに関する設定のほとんどはこのソフトウェア上でおこなうことができ、ディスプレイの下に配置されたキーやボタンには触れることが無かった。

このソフトウェアではホストとして使用しているノートPCの明るさも調整できる。地味な機能だが2台の画面の明るさを同時に調整できるの非常に便利だ。

また、Display Pilot 2ではショートカットキーの割り当てやアプリケーション毎に異なるディスプレイ設定を登録することができる。

ディスプレイとしての品質の高さ

ここまであまり触れてこなかったがRDシリーズはそもそもディスプレイとしての品質が高い。

スクリーンの解像度はRD240Qが「WQXGA(2560 x 1600)」、RD280Uが「4K+(3840 x 2560)」でトップクラスの性能だ

RDシリーズに採用されているナノマットコートパネルは映り込みや反射が少なく作業に集中することができる。

ディスプレイの入力としてはHDMI、DisplayPort、USBタイプCに対応している他、タイプAのUSB入力を3つとヘッドホンジャックも備えている。

最大4台のモニターに出力できるデイジーチェーンや1セットのマウス・キーボードを複数のPCで使用できるKVMスイッチも搭載している。

RD280UAの気になった点

最後にRD280UAを使用して気になった点についても触れておきたい。

プログラミングに特化した機能がもっと欲しかった

RDシリーズは作業領域が広く、目に優しい機能も多く付いていることからプログラミング用途に適していることは確かなのだが、欲を言えば「コーディングモード」などのディスプレイ設定以外の部分でもプログラミングに特化した機能を付けてほしかった。

ディスプレイからIDEを起動できる・IDEのウィンドウ配置を記録できるといった機能があれば、プログラミングモニターとしての大きなセールスポイントになったんではないかと思う。

PIP・PBP機能は付けてほしかった

今回、紹介した3つのモデルにはPIP(Picture in picture)、PBP(Picture by picrure)機能は付いていない。

PIP/PBPはおもにウルトラワイドモニターに搭載されている機能で複数のPCの画面をひとつのディスプレイに表示する機能。

ITプロジェクトにおいてはビデオ通話やプレゼンテーションでPCの画面をシェアする機会が多いので、PIP/PBPは付いていると助かるケースは多々ある。

ディスプレイの位置をもう少し下げれるようにしてほしかった

ディスプレイの位置はあと数センチ下げれるようにしてほしかった。

今回はディスプレイできる限り下げた状態で使っていたのだが、モニターの下にまだ5センチほど隙間が出来る。ファンクションバーやUSB入力が背面についているためだと思うが、これをギリギリまで下げれるようにデザインしてほしかった。

モニターが縦に大きい分、画面の上部を見ようとすると少し見上げた感じの姿勢になる。作業によってはブラウザのタブを頻繁に切り替えたりするので、これは時々ストレスに感じることがあった。

まとめ

今回はBenQのプログラミングモニターRDシリーズについて、実機を使用したうえでレビューを書かせてもらった。

短くまとめるとRDシリーズは「広い作業領域と優れたアイケア機能を兼ね備えた高性能モニター」でありプログラミング用途のみならず幅広くお勧めできるシリーズだ

RD320U/RD320UAが日本でリリースされたら再度記事をアップデートする予定なので、気になる人はこの記事をブックマークしておいてほしい。

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