ドイツ企業に勤務するエンジニアが語る。意外なドイツの給与・給料事情!

ドイツ企業に勤務するエンジニアが語る。意外なドイツの給与・給料事情!

この記事では、ドイツ・ベルリンでエンジニアとした働く著者がドイツの給与事情について解説したい。

2023年GDP(国内総生産)で日本を抜き世界3位となったドイツ。ドイツは言わずとしれた経済大国であり、ヨーロッパの盟主としての存在感も年々高めている。

短い労働時間ながら高い賃金水準を維持しており、その生産性の高さとワークライフバランスを両立した労働市場は日本でも注目されている。

今回はそんなドイツの給与・給料事情について、データに基づく客観的な側面と実際に住んでいるからこそ分かる肌感覚の部分も含めて書きたいと思う。

ドイツの平均年収

まずは、予備知識としてドイツの平均年収について確認しよう。

ドイツの平均年収と中央値

2024年のドイツの平均年収は50250ユーロ(約854万円)だ。

日本の平均年収から考えると「結構もらってるなぁ。」と印象だろう。

世界の多くの国と同様にドイツでも取得格差は年々広がっており、一部の高給取りが平均を押し上げているという背景があるので、中央値も確認してみよう。

ドイツの年収の中央値は約43750ユーロ(約743万円)であり、月収でいうと約3645ユーロとなる。

この記事を最初に書いた2020年当時は月収の中央値が2500ユーロだったので、ここ数年で大幅に上昇したのが感じられる。

コロナ騒動以降のヨーロッパのインフレは加速的に進んでいるので、一般的な庶民はそれほど裕福に感じられないだろうが、給与の上昇と言う形で労働市場はインフレに反応している。

ドイツの税金

次にドイツの税金について確認したい見てみたい。

ドイツの税金は他のヨーロッパ諸国と同様にかなり高い。おおよそ給料の3分の1が税金・保険料・年金などで引かれると考えていい。

引かれる額は給与が多いほど大きくなり、60000ユーロを越えるとおよそ40パーセントが引かれるようになる。

ドイツで始めて給料が振り込まれた時は振り込まれた額の少なさにガッカリする事だろう。とはいえ、日本も税金や保険料が上昇しているので、今後はそれほど違いが無くなってくるかもしれない。 

ドイツの生活費

給料が高くても生活費が掛かりすぎるならば魅力的な国とは言えない。

ドイツの生活費は他のヨーロッパ諸国と比較してそれほど高くはないものの日本よりはだいぶ高い。

家賃に関してはここ10年で都市部を中心に激しく上昇したものの、パリやロンドンと較べるとまだ低い水準にある

下の図はドイツの都市別1ルームアパートの家賃相場だ。

https://www.studying-in-germany.orgより引用

ドイツの物価はここ数年で大きく上がっている。

消費税は19%だが生活必需品に限っては7%と低く抑えられている。

外食は日本よりもはるかに高いが、自炊をする人であれば食費を抑えることは可能だろう。

特に果物は日本よりも安く、食費を抑えながらも健康的に生活することは充分に可能だ。

ドイツのエンジニアの平均年収

次にドイツで働くエンジニアの給料を見ていこう。

ドイツのエンジニアの平均年収

まずはエンジニアの平均年収から。

ドイツのプログラマの給料は世界的に見ても高い部類に入る。

次の表によればドイツの平均年収は60162ドル(約658万円)となっている。

daxx.comより転用(単位はUSドル)

ドイツではプログラマの給料はおもにプログラマとしての経験年数によって変化する

3年目までのプログラマの給料の中央値は月3800ユーロとなっている。円に換算すればおおよそ570万円となる。

なお、インターンとして働いている場合も給料は貰える場合が多く、月に1000ユーロくらいもらえるパターンが多いようだ。

年収1000万円(8万ユーロ)を越えるには?

エンジニアであるならばドイツもしくは他のヨーロッパ諸国で年収1000万を目指すことは充分に可能だろう。

年収1000万円を越えるには以下のような方法が考えられる。

  • スイスなどより給与水準の高い国に引っ越す
    ⇒ より高い給料を目指すならスイスなどの給料水準が高い国に移住することが考えられる。ただし、家賃を始めとする生活費も上がるのでそういったことも計算したうえで計画を練るべきだ。
  • 給与水準の高い業界に転職する
    ⇒ コンサル・金融・医療など一般的に儲かると認知されている業界はエンジニアとして就職してた場合でも給与水準は高くなる。
  • 長く実務経験を積みシニアのポジションに着く
    ⇒ シニアのバックエンドエンジニアは特に希少価値が高く、年収80000ユーロを越える求人などもある。