ドイツでの出産後の手続き。出生届や補助金の申請。

ドイツでの出産後の手続き。出生届や補助金の申請。

この記事では、ドイツで子育てをおこなう人のために、子供が3歳になるまでの育児にまつわるイベントを時系列に沿って紹介するぞ。

この記事を読めば、児童の健康診断・予防接種の内容、煩雑な書類の申請、また、Kitaなどの児童預かり施設の申込みなど、ドイツで子育てをする人なら知っておきたい事柄がまとめて理解できるはずだ!

出産から3年目まで

まずは出産から3年目までの流れを図を使って確認しよう!

① 出産後の数日間

出産後の数日間は母と新生児は病院で寝泊まりする。自然分娩の場合は3日間、帝王切開を行った場合は5日間ほど病院に留まるのが通常だ。

入院中は以下のような専門の医師が代わる代わる、お母さんと赤ちゃんの健康状態を確認する。

  • 助産婦 Hebamme
  • 看護婦 Krankenschwester
  • 婦人科医 Frauenarzt,Gynäkologe
  • 外科医 Chirurgie
  • 小児科医 Kinderartzt
  • 授乳アドバイザー Stillberater
  • 理学療法士 Physiotherapeut 

入院中は授乳アドバイザーにより授乳のチェックが行われる。
授乳がうまくいってない時は、母乳用搾乳器(Milchpumpe)を用いて授乳の補助をする。また、赤ちゃんには不足する栄養分を補うためにビタミンKの錠剤がよく与えられる。

入院費について

母親の入院費は無料だ。家族部屋を使う場合は、父親の入院費が自費となるが、加入している保険によってはそのコストもカバーしてくれるときがある。事前に確認しておこう。
出産後はなにかと助けが必要となることが多いので、父親かその他の家族が一緒に入院することをオススメする。

出生証書 Geburtsbescheinigung

出生後には、出生証書(Geburtsbescheinigung)を発行してもらえる。
この書類はのちに戸籍役場(Standesamt)にて出生届をおこなう際に必要となる。病院によっては入院中に病院内で出生届の申請が行える場合もある。

赤ちゃんの写真撮影

病院内で新生児の写真撮影をプロのカメラマンの手により行ってくれる病院もある。新生児の扱いに慣れている人が撮影をしてくれるので、撮影は通常のカメラマンに頼むよりもスムーズに進行するぞ。

② 発育診断 U-Untersuchungen

U-Untersuchungenはドイツで出生した赤ちゃんが16歳になるまでの間に十数回に渡って行われる健康診断の名称だ。各診断はU1、U2と頭にUを付けて呼ばれるのでU-Untersuchungenと呼ばれている。

U-Untersuchungenは子供の発育不全の早期発見をおもな目的として行われる

U-Untersuchungenは、一部の州(Bundesland)を除いて義務ではない。
またU9までに掛かる費用は全額保険の対象となる。

  1. U1
    出産の直後に、出産病院にて行われる。
    出生時の体重と身長を測定する。
  2. U2
    生後3日~10日の間に、通常は出産病院にて行われる。
    これが始めての本格的な健康診断となる。体長のほか視力や神経機能なども測定される。
  3. U3
    生後4週目~5週目の間に小児科にて行う。
    身体能力や聴力・視力、まだ反射能力などがテストされる。これ以降の診断は、身体的に、また精神的に赤ちゃんの発育が年相応であるかを確認する。また、診断は小児科にて行われる。
  4. U4 生後3ヶ月~4ヶ月。
  5. U5 生後6ヶ月~7ヶ月。
  6. U6 生後10ヶ月~12ヶ月。
  7. U7 生後21ヶ月~24ヶ月。
  8. U7a 生後34ヶ月~36ヶ月。
  9. U8 生後46ヶ月~48ヶ月。
  10. U9 生後60ヶ月~64ヶ月。

U10、U11もある。こちらは保険の対象外となる。

子供健康手帳

U-Untersuchungenの結果は子供健康手帳(Kinderuntersuchungsheft)に記入される。子供健康手帳はカバーが黄色であることからGelbes Heftとも呼ばれる。

© Foto: BZgA; Kinderuntersuchungsheft: G-BA

③ 出生届の提出

病院を退院したらまず済ませておきたいのが出生届だ。
出生届けは出産日から1週間以内に届け出ることが法律で決められている。

出生届の申請に必要な書類は以下の通りだ。

  • 父親の出生証明書(日本人の場合は戸籍謄本)
  • 母親の出生証明書(日本人の場合は戸籍謄本)
  • 婚姻証明書(結婚している場合)
  • 病院が発行する出産の証明書(Geburtsbescheinigung)

以上の書類は出産予定日の1ヶ月前までには揃えておこう

出生届けは住んでいる地域の戸籍役場(Standesamt)にて行う。届け出が受理されれば子供の出生証明書(Geburtsurkunde)がもらえる。

この書類は重要なので大切に保管しておこう!

④ 産褥期カウンセリング

産後から6週間~8週間の間は産褥期(Wochenbett)と呼ばれ、母の身体が妊娠前の状態へと戻っていく期間だ。

ドイツではこの期間は助産婦が自宅を訪問して、母と子にカウンセリングを行う。掛かる費用は全額保険の適用範囲となる。カウンセリングの期間は必要であれば、授乳期の終わりまで延長することができる。

⑤ 健康保険の申込

赤ちゃんを健康保険(Krankenkasse)に加入させよう。出産直後の赤ちゃんの診断にも料金が掛かる。この分の料金は保健に入ればカバーされる。

出生届が受理されると、健康保険のための出生証明書も同時に発行してもらえるはず、それも申込み書と一緒に提出しよう。

⑥ 小児科の予約

退院後、自宅に戻ってきて落ち着いたら、U3以降のU-Untersuchungenのために小児科を予約しよう。小児科医は今後たびたびお世話になる可能性が高いので、自宅から近い人を探そう。

⑦ 大使館への届出

駐ドイツの日本大使館へ出生を届け出よう。

出生から3ヶ月以内に日本大使館へ届け出なかった場合、日本国籍を失うこととなるので注意しよう

必要となる書類は以下の通りだ。

  • 出生届(窓口に用紙がある)
  • 出生証明書(Geburtsurkunde)
  • 出生証明書の和訳文

パートナーの男性と結婚していない場合は、同時に認知届の提出が必要だ。

必要な書類は日本大使館のホームページでも併せて確認してほしい。
出生届(在ドイツ日本大使館ホームページ)

なお、日本は二重国籍を認めていない国なので、子供が満20歳になるまでにドイツ国籍か日本国籍を選択しなければならない。

子供のパスポートについて

子供のパスポートが必要な場合は、日本の戸籍役場での登録を確認したあとにドイツの日本大使館で申し込もう。

⑧ 予防接種

ドイツでも日本と同様に乳幼児はたくさんの予防接種を受ける。

ドイツでは日本とは違い混合ワクチンを用いることにより、複数のワクチンを同時に摂取することができるので、摂取のスケジュールも日本より簡素化されている。

予防接種は時期を隔てて数回に分けて行われる。
詳しいスケジュールはこちらを参考にしてほしい。

https://www.bundesgesundheitsministerium.deより

⑨ 補助金の申請

出生証明書(Geburtsurkunde)が手に入ったら、各種の補助金の申請を行おう。

両親手当 Elterngeld

両親手当(Elterngeld)は育児休業を取得している間の給料を補填するための手当で、給料の約65%の金額がもらえる。

Elternzeitの申請は働いている会社に行うが、Elterngeldの申請は児童福祉課(Jugendamt)にて行う。

なお、母親にはElterngeldとは別に、母親手当Mutterschaftsgeldも支給される。これは出産予定日の6週間前から8週間後まで、母親に対して支給される手当で給料のほぼ100%が支給される。こちらは育児休業に入る前に申請ができるので早めに済ませておこう。

子供手当 Kindergeld

子供手当は親の収入に関係なく一律でもらえる育児のための給付金で、子供が18歳(最長で25歳)になるまでもらえる。申請先は家族公庫(Familienkasse)で、オンラインでの申請も可能。

子供手当の金額(2020年)

  • 1人目と2人目 204 Euro
  • 3人目 210 Euro
  • 4人目以降 235 Euro

この金額は子供ひとりあたりの金額。つまり、3人子供がいる場合は、
204 * 2 + 210 = 618ユーロを月々受け取れる計算となる。
また、子供手当の金額は数年に一度上昇している。

⑩ Kitaを探し始める

次にKitaなど子供が基幹学校(Grundschule)に入る前までの教育・保護施設を探し始めよう。ドイツではKitaの不足が社会問題となっている。地域によっては見つけるの長い期間が必要となるので、早い時期に探し始めよう

KitaはKindertagesstätteの略で、幼稚園にあたるKindergartenとは異なる。これらの名称は地域による違いもあり厳密には使い分けられていないようだが、一般的にドイツの社会では以下のように認識されている。

  • Kindertagesstätte
    公立の施設で一般的な収入の親を持つ児童が通う。
  • Kindergarten
    私立の幼稚園のことを指す場合が多い。私立の幼稚園では優秀な子供を養成するための教育が行われる。

Kindertagesstätte

Kindertagesstätteは児童の教育・養護のための施設だ。原則的に月曜日から金曜日まで1日中開いてる。料金は地域により大きく異なる。月におおよそ200ユーロ程度の料金がかかる。

なお、オーストリアではKindertagesstätteはGanztagskindergartenと呼ばれる。

Kindergarten

Kindergartenは2.5歳~6歳までの児童が通う施設。授業料は高いところでは1300ユーロくらい掛かる。また、申込みの際は両親との面談を設けるところが多い。

Kindergartenは午前もしくは午後のみ子供を預かり、Kindertagesstätteと較べると教育施設の側面が強い。

Kinderkrippe

Kinderkrippeは0.5~3歳までの幼児を預かる施設。
略してKrippeとも呼ばれる。Kinderkrippeの多くはKindertagesstätteの建物内に並立されている。

Kita-Gutschein

ベルリンもしくは、ハンブルグに住んでいる人はKita-Gutscheinというチケットをもらうことが受給することができる。このチケットを持ってKitaに申し込めば昼食代を除き掛かる料金が無料となる。

子育てに関するサイト

最後にドイツでの子育てをサポートするウェブサイトを紹介しよう。

Berlin mit Kind (ドイツ語)
https://berlinmitkind.de

ベルリンのママさんたちにより運営されているサイト。小さな子供連れに優しいカフェの情報などを発信している。姉妹サイトのMünchen mit Kindもある。